徐々に暖かくなり、春らしさが感じられる頃となりました。
本シリーズ「海外在住者のカウンセリング経験談」では、日本よりも心理カウンセリングが身近な欧米でのカウンセリング利用経験がある方にお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。
※プライバシー保護のため一部内容を変えております。
<第4回>
お話を伺った方:Hさん 物流事務/30代/女性(カウンセリング利用時)
– カウンセリングを受けようと思った理由について、差し支えない範囲で教えてください。
当時は仕事やルームメイトとの生活が上手くいかず、ストレスの多い日々を過ごしていました。
何か嫌なことがあると家族や友人に話を聞いてもらっていましたが、頻繁に愚痴を聞かせるのも悪いような気がしましたし、話の途中でまだモヤモヤが残っているのに次の話題に移ってしまうと、話を戻しにくくて……。
「遠慮せずに思う存分、自分の中のイライラを誰かに話したい!」という気持ちが強くなっていきました。
カウンセリングなら、愚痴を吐き出せるだけでなく自分の心を落ち着かせる方法も一緒に考えてもらえると思い、インターネットでカウンセラーを探しました。
– 友人など周囲のカウンセリングに対する考え方はどのようなものでしたか。ご自身の印象や主観で構いません。
私自身がカウンセリングに対してネガティブな印象を持っていなかったので、特に躊躇うこともなく、家族や友人にはカウンセリングを受けることにした、と伝えました。
皆が肯定的に捉えてくれましたし、カウンセリングのセッションがどのようなものなのか、興味がある様子でしたね。
毎回セッションが終わると、「今日はこの話をして、こんな分析やアドバイスがあったよ」と報告していました。
私のセッションは重い相談や精神的なセラピーというより、「異文化で生きるストレスを軽減するには」というような内容だったので、海外在住経験がある友人や家族には興味深かったのだと思います。
– カウンセリングを利用するにあたり、気になったことや障害になったことがあれば教えてください。
担当カウンセラーがメキシコ系アメリカ人だったのですが、異文化について語ることが多かったため、日本人の考え方などを説明しなければなりませんでした。
説明しながら自分の考え方を再認識するという効果はあったと思いますが、言わずとも理解してくれる相手だったら、もう少しスムーズだったかもしれません。
あとは、インフラの話になりますが、オンラインカウンセリング中に頻繁に起こるインターネットの接続不良は煩わしかったです。
– カウンセラーの対応はいかがでしたか。
私が何を言ってもカウンセラーが「That makes a lot of sense(あなたの言っていることはもっともです)」と同意するので、時々不快に感じることがありました。
言いたいことを上手く説明できていないと自分で感じているときでさえ、そのような応答だったので、本当に分かっているのか疑ってしまうというか……。
また、カウンセラーとしての見解や分析をはっきり言って欲しいときも多々ありましたが、私の担当カウンセラーは断定的なことを言わないようにしていたと思います。
カウンセリングでは仕方のないことかもしれませんが、ちょっと物足りなく感じました。
– 現在、心理カウンセリングに対して持っているイメージを教えてください。
「精神科」と聞くと深刻な印象ですが、「心理カウンセリング」だとポジティブで、より気軽な感じに聞こえます。
投薬ではなく、会話によって気持ちを軽くしたり問題を解決したりできますし、人生のどこかで誰もがお世話になる可能性があるもの、というイメージです。
– カウンセリングルームはどのように選びますか。
オンラインでリサーチをして、カウンセラーの経験や専門領域を見ながら選びます。
– 誰かに話を聞いてほしくても、身近な相手だとかえって気を遣ってしまって話しにくい、第三者に話す方が自由に話せる、という場合もありますよね。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。