海外在住者のカウンセリング経験談⑥ カナダ編

秋になり涼しくなってきました。

本シリーズ「海外在住者のカウンセリング経験談」では、日本よりも心理カウンセリングが身近な欧米でのカウンセリング利用経験がある方にお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。

※プライバシー保護のため一部内容を変えております。

 

<第6回>

お話を伺った方:Yさん 会社員/30代/女性(カウンセリング利用時)

 

– カウンセリングを受けようと思った理由について、差し支えない範囲で教えてください。

 

きっかけは仕事のストレスです。

営業の仕事をしていたとき、忙しさや上司からのハラスメントなどが重なり、体調不良になってしまいました。

医師から勧められて、初めてカウンセリングを受けました。

その後は何度か、大きな仕事を任されているときなど、ストレスを感じたらカウンセリングを受けています。

 

– 友人など周囲のカウンセリングに対する考え方はどのようなものでしたか。ご自身の印象や主観で構いません。

 

カナダではカウンセリングを利用することは普通ですし、私の周りにも利用している友達がいるので、友達同士でオープンに話しますね。

ただ、不調の原因が仕事のストレスなので、職場の同僚や上司にはカウンセリングを受けていることは話していません。

夫もカウンセリングの利用には賛成で、セッション後に内容を話すときもあります。

 

– カウンセリングを利用するにあたり、気になったことや障害になったことがあれば教えてください。

 

最初にカウンセリングを勧められたときは、ちょっとびっくりしました。

当時はカナダに来て間もなかったので、あまり知識もなく、「もしかしたら私は精神疾患があるのかな」と不安になりました。

でも周りの人たちのカウンセリングに関するリテラシーが高いというか、理解があり、日本でカウンセリングを受けるよりも抵抗はありませんでした。

難点というと、利用しているカウンセリングルームの料金が高いことですかね。

初回セッションはカナダドルで200ドル以上、2回目以降も1回あたり150ドル以上します。

カナダでは会社の保険でカウンセリング利用料の補助を受けられるので、多少カバーできますが、補助にも上限があり継続的に受けるとなるとやはり負担は発生します。

 

– カウンセラーの対応はいかがでしたか。

 

当たり前ですが、カウンセラーによって合う、合わないがありますね。

評判の良いカウンセラーでも、話し方や身振りが私には不快に感じたり、「あれ、この人、なんだか嫌だな」と思ったりすることがありました。

そのような小さな違和感があると、カウンセリングの効果もあまり感じられなくて……。

逆に、「この人は話しやすい」とか「この人なら信頼できそう」と思えると、話していて楽になれました。

同じことを言われても、スッと入ってくる人と入ってこない人がいますし、やはりカウンセリングは信頼関係がとても大事だなと実感しました。

 

それに、カウンセリングの効果はカウンセラーだけでなく、自分次第の部分もあると思います。

内容によって数回のカウンセリングで良くなるとも限らないですし、いろいろなことを正直に話して、自分で自分を受け入れていくことが必要ですよね。

そのためにも、自分に合ったカウンセラーを見つけることは、とても大切だと思います。

 

– 現在、心理カウンセリングに対して持っているイメージを教えてください。

 

日本に住んでいたときは、カウンセリングは鬱の人や精神疾患がある人が受けるものだと思っていました。

でも、カナダではまったく違った見方をします。

心身の健康のために必要なものの一つ、として捉えられている印象です。

コロナ禍のストレスでカウンセリングを受ける人も増えていますし、会社によって無料でカウンセリングを利用できるようにしているところもあります。

 

私自身はカウンセリングを通して、自分の考え方の癖やトラウマに気づきました。

自分を知ったことで、普段の生活を送りやすくなったと感じることもあります。

今はマッサージや鍼で体のメンテナンスを行うのと同じように、心のメンテナンスというスタンスで利用しています。

第三者に話を聞いてもらうと楽になるときってありますし、以前よりもカウンセリングの利用を気軽に考えるようになりました。

 

– カウンセリングルームはどのように選びますか。

 

かかりつけの医師に紹介してもらうこともできますが、今はインターネットで条件を絞って検索しますね。

口コミというよりは、そのカウンセラーが何を専門としているかで選んでいます。

例えばLGBTやトラウマ、結婚生活、キャリアとか。

あとは言語も重要です。

日本語の方が伝えやすいときや、逆に英語の方が伝えやすいときがあるので、場合に応じてどちらかの言語でカウンセリングを受けています。

コロナ禍でオンラインカウンセリングが主流になり、自分が住んでいる街以外のカウンセラーでも探しやすくなりましたよね。

初回のセッションでカウンセラーとの相性を確認して、良さそうであれば継続しています。

 

– カウンセリングに対する考え方が、周囲の方々の認識やご自身の利用経験によって徐々に変化していったのですね。カウンセリングの効果を高めるために、カウンセラー選びやご自身の心構えについて考えていらっしゃることも印象的でした。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。