本シリーズ「仕事とライフイベント」では、仕事とプライベートの両立など、悩みながら人生の選択をするビジネスパーソンからお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。
※プライバシー保護のため一部内容を変えております。
<第17回>
お話を伺った方:Yさん(看護師/30代/女性)
テーマ:育児
– 印象に残っている出来事を教えてください。
次男が産まれてからの長男の変化です。
妊娠中から急に泣き出したり、癇癪を起こしたりすることがあったので、元々赤ちゃん返りを心配していました。
次男が産まれて一緒に家で過ごすようになると、「赤ちゃん、可愛いね」と弟に構いたがる様子はありましたが、母親を取られたという気持ちの方が強かったようで……。
出産前と同様に急に泣き出すことがあって、不安定に見えました。
それでも、時間が経つにつれて泣くことが減り、自分の気持ちをきちんと言葉で伝えられるようになりましたし、兄として弟を可愛がるようになりました。
– 当時のお気持ちと、どのように対応したか教えてください。
長男の気持ちに寄り添ってあげたいと思っていました。
でも、長男が私に構って欲しがるときに限って、次男の授乳や寝かしつけのタイミングなんですよね。
「赤ちゃんが寝たら遊ぼうね」と言っても、やっぱり不満そうで……。
思うように相手をしてあげられなくて「かわいそうなことをしている」「申し訳ないな」と気になる反面、長男が拗ねてしまって物事が進まなくなると、私もイライラしていました。
どうすればよいか悩んで、時間があるときに長男に「思ったことは言葉にしないと、ママにも分からないよ」という話をしたんです。
それからは、「抱っこして」「寂しい」などとストレートに表現してくれるようになりましたね。
何を考えているのか分かるようになったことで、長男とのコミュニケーションを図りやすくなりました。
– 当時を振り返って、現在のお気持ちを教えてください。
今でも時々甘えることはありますが、弟のお世話をしてくれることが増えてきました。
弟を受け入れることは、長男にとって大きな試練だったのかもしれません。
それでも、自分の思いを表現できるようになるなど、長男自身の成長に繋がった気がします。
お兄ちゃんになったと言っても、まだ4歳です。
大きな期待をかけてプレッシャーを与えたくないですし、長男ができることを大切にしたいですね。
長男がいろいろなことに挑戦して、成功体験を重ねていけるように見守りたいと思っています。
一緒に喜んだり褒めたりするうちに、いつの間にか想像以上に成長してくれていることを感じる毎日です。
– 当時、周囲の方々はどのような反応でしたか。
次男は保育園に行っていたので、平日は保育士さんが日中の様子を丁寧に教えてくれて有難かったですね。
休日は夫や私の両親が長男を公園などに連れ出してくれていました。
産後1ヶ月は私も次男も外出できなかったので、長男を連れ出してくれることはもちろん助かっていましたが、少しの時間でも良いから長男と2人で過ごして思いきり甘えさせてあげたい、と思っていました。
「長男との時間をつくりたい」と夫に相談して、次男を見ていてもらい、長男と2人で出かける機会を持つようにしました。
ちょっとした買い物など短時間でしたが、その時間は長男もわがままを言ったり甘えたりしてくれて、徐々に癇癪なども減ったように思います。
– お兄ちゃんは自分より小さな赤ちゃんを可愛いと思う反面、大好きなママを取られて寂しくて、不安を感じていたのですね。母として子どもと向き合い、安心させる方法を模索して、愛情を伝えようとされていたことが伝わってきました。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。