コンサルあるある⑦ 自分の未熟さを感じたとき

あけましておめでとうございます。

本年も皆様のご期待により一層お応えできるよう、努めてまいります。

どうぞよろしくお願いいたします。

 

本シリーズ「コンサルあるある」では、コンサルティング会社で働く方々に実体験エピソードを伺いながら、話の中に隠れている「あるある」も一緒に紹介します。

※プライバシー保護のため一部内容を変えております。

 

<第7回>

– コンサルタントとして自分が未熟だと感じたときのことを聞かせてください。

 

【ケース1】

お話を伺った方:Gさん(監査法人系コンサルティング会社/40代/女性)

 

新規案件のコンペでプレゼンテーションを行った際、クライアントから「提案内容は良いけれど、プレゼンテーションの仕方が良くない」と直にはっきり言われてしまったときのことです。

当時の私には、「良いものは誰が見ても良いものだ」という固定概念がありました。

クライアントの一言で、「どんなに良いものでも、見せ方が悪ければ伝わらない」という当たり前のことをようやく理解しました。

今のメンバーに対しては、「提案の良し悪しは、内容5割、プレゼン力5割で決まる」と指導しています。

 

– 様々な人の協力を得て力作の提案資料を作成しても、クライアントがその良さを認めなければ案件獲得につながりません。そして、クライアントの目に魅力的な提案として映るかどうかは、伝え方によるところが大きいですよね。提案や最終報告など、大事な場面で「クライアントに上手く伝えられずに悔しい思いをする」ことは、頻繁にプレゼンテーションを行うコンサルタントなら、誰しも経験するのではないでしょうか。

 

【ケース2】

お話を伺った方:Sさん(総合系コンサルティング会社/30代/男性)

 

何度か提案に通っていたクライアントとの打合せで、あまりに横柄な役員の態度に内心イライラしてしまい、「もうこの案件は断れば良いのに……」と思ったことがありました。

仮に受注したとしても、そのような態度の方と一緒にプロジェクトをやっていけるか不安になるほどでした。

ところが、上司がその場を穏便に収めた上に、結果として受注したのです。

あとで聞いたら上司も腹が立っていたらしいのですが、表情は変わらず丁寧な口調で対応していたので、私はまったく気付きませんでした。

「この案件を取りたい」と思ったら、ときに割り切って接することも必要なのだな、と学びました。

なかなか難しいですが……。

 

– 会議中にイライラしてしまうことは、社内外どちらでも起こりうることです。厳しいことを言うべき場面もありますが、相手が聞く態勢になっているか、自分の言葉を聞いてくれるような関係性が築けているか、といったことを考慮すると毎回そうはいきませんよね。「相手にきっぱり言うか葛藤して、受け流す選択をする」ことも、ビジネスパーソンなら経験があるでしょう。頭に血が上った状態で発した言葉は思いがけないしこりを残すことがありますし、冷静に対処したいですね。

 

【ケース3】

お話を伺った方:Kさん(シンクタンク系コンサルティング会社/20代/女性)

 

プロジェクト遂行に必要な基礎知識を持っていなかったクライアントに対して、「いくらコンサルタントがいても、自身の担当案件なら最低限このくらい勉強しておくものでは」と思い、釈然としないことがありました。

そのとき上司に「話が通じないときは、相手の理解力が足りないのではなく、自分の説明力が足りないと考えて」と言われました。

それ以来、相手の理解力に合わせて話し方や内容を工夫することも、ビジネススキルの一つだと考えるようになりました。

 

– コンサルタントであれば、「プロジェクト開始時に必要な情報を集めて目を通すことは基本」と考えがちですが、クライアント企業でもそれが当然とは限りません。「経験が浅いメンバーの成長もサポートしてほしい」というクライアントもいます。クライアント側のプロジェクトメンバー内で知識や経験に差があることもよくありますから、最初に各メンバーが持つ知識や経験を確認して、人によって説明の仕方を考えることも大切ですね。