新年度がスタートしました!
本シリーズ「仕事とライフイベント」では、仕事とプライベートの両立など、悩みながら人生の選択をするビジネスパーソンからお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。
※プライバシー保護のため一部内容を変えております。
<第13回>
お話を伺った方:Bさん(保育士/30代/男性)
テーマ:転職
– 印象に残っている出来事を教えてください。
結婚前、妻と私は別々の保育園に勤務していました。
半年後に入籍することを決めて、新生活や挙式に向けて準備を進めていた時期のことです。
妻は転職して新園のオープニングスタッフとして働いていたのですが、転職先に馴染めなくて、1ヶ月も経たないうちに仕事を辞めたいと言い始めて……。
相談に乗っていた妻の両親や私が何を言っても聞く耳を持たず、「もう辞めたい」の一辺倒でした。
正直なところ、参ってしまいましたね。
– 当時のお気持ちと、どのように対応したか教えてください。
結婚と転職というイベントが重なったこともあり、妻は余計にナーバスになっているようでした。
まだ経済的な余裕がなく、夫婦で働く必要があったので、妻の両親とともに説得しました。
ましてや、転職してまだ1ヶ月です。
妻がつらい思いをしていることは分かっていましたが、乗り越えてほしくて、「ここで挫折してしまったら、今後のキャリアや仕事探しに悪影響だよ」と強く言いました。
– 当時を振り返って、現在のお気持ちを教えてください。
結局、妻は何とか1年勤めてから退職しました。
そばで見ていた私としては、「もう少し続けた方が良かったのではないか」という思いと、「辞めて良かった」という思いが半々です。
妻の場合、努力したのに馴染めなかったというより、馴染もうとする努力をしていないように見えたことが気になって……。
その点に関しては改めるべきだと思いますし、仕事を1ヶ月で辞めると言い出したことも、軽率だったように感じます。
ただ、「もう辞めたい」と強く思っている人に対して、精神論で「頑張れ」と言っても逆効果になりかねないですよね。
今となっては、もっと妻に寄り添う気持ちを持つべきだったと思います。
もし同じようなことが再び起こったら、やはり少なくとも1年は仕事を続けるように勧めます。
転職自体は悪いことではありませんが、妻には次の職を選ぶときに、よく吟味してほしいですね。
簡単に知人の紹介を受けたり友人と一緒に面接に行ったりせず、自分に合った職場を選んでほしいですし、一生懸命勤められそうかどうか、という観点が大切ではないでしょうか。
– 当時、周囲の方々はどのような反応でしたか。
妻の両親は彼女に寄り添ってくれましたが、内心は困っていたと思います。
でも、私だけでは妻をフォローしきれない部分があったので、とても助かりました。
一方で、妻の転職先の上司はきれいごとを並べて、上辺だけのサポートしかしてくれないようでした。
それでは部下は付いてこないですよね。
外部から見ても、業務内容は一般的だと思いますが、残業は当たり前で園の環境に資金が還元されないなど、子どもファースト、職員ファーストの園とは言えませんでした。
保育園は子どものための場所とはいえ、働いている職員が満足できない環境では、子どもだって満足できないのではないでしょうか。
上司がどれだけ良いことを言っても、実践しているか、していないかで状況は大きく異なると思います。
– 結婚準備の最中、奥様のことを心配しながらも、社会人として責任を持って仕事に向き合ってほしい、という思いが伝わってきました。ありがとうございました。