本シリーズ「海外在住者のカウンセリング経験談」では、日本よりも心理カウンセリングが身近な欧米でのカウンセリング利用経験がある方にお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。
※プライバシー保護のため一部内容を変えております。
<第2回>
お話を伺った方:Fさん 会社員/30代/女性(カウンセリング利用時)
– カウンセリングを受けようと思った理由について、差し支えない範囲で教えてください。
何度か受けたことがあるのですが、今後のキャリアの積み方について悩んでいたときや、仕事上のストレスと家庭内のストレスが重なったときに、勤務先の制度を利用しました。
離婚を考えていたときにも、政府の制度を利用してカウンセリングを受けました。
– ご家族や同僚など周囲のカウンセリングに対する考え方はどのようなものでしたか。ご自身の印象や主観で構いません。
会社の制度を利用したときは、上司が理解を示してくれて、就業中にカウンセリングのため仕事を抜けることを快く許してくれました。
ただ、主人はカウンセリングの効果を信じていないので反対でした。
特に離婚を考えていたときは、周囲から一緒にカウンセリングを受けることを勧められましたが、「自分には必要ない」と全く聞く耳を持ちませんでした。
ちなみに、日本にいる母は「あなたが楽になるのなら」と賛成してくれました。
– カウンセリングを利用するにあたり、気になったことや障害になったことがあれば教えてください。
私は主人に気付かれたくなかったので、ある意味では障害になりました。
知られたときに色々と言い訳をしなくてはならないことが容易に想像できたので、隠し通したいと強く思っていました。
– カウンセラーの対応はいかがでしたか。
あるカウンセラーがセッション中にあくびをすることが多く、とても不愉快に感じたのを覚えています。
当時は政府の制度を利用した10回シリーズのカウンセリングだったので、途中でカウンセラーを変更できるのかどうか分からず、変更を申し出ることはしませんでした。
一方で、別の悩みを持っていたときの担当カウンセラーが、普段の生活で行える対応を提案してくれて、それらを実行したら状況が改善されたこともあります。
今でも必要なときは言われたことを思い出して、実行しています。
– 現在、心理カウンセリングに対して持っているイメージを教えてください。
最初の頃は「話したからって、どうにかなるの?」と思っていましたが、今では自分の置かれている状況や感じていることを客観的に捉えられる、良い機会だと思っています。
– カウンセリングルームはどのように選びますか。
これまでは職場の制度を利用するか、オーストラリア政府の制度を利用して紹介されたカウンセラーのところに通っていました。
現在はカウンセラーの知り合いができたので、何かあればその方に紹介してもらおうかな、と思っています。
そのほかの条件としては、通える範囲であれば、日本人のカウンセラーを選びます。
– 職場の上司が理解を示してくれるのは心強いですね。何度かカウンセリングを利用される中で、ご自身に合うカウンセラーの選び方なども定まってきているようです。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。