コンサルあるある⑧ 転職しようと思ったとき

本シリーズ「コンサルあるある」では、コンサルティング会社で働く方々に実体験エピソードを伺いながら、話の中に隠れている「あるある」も一緒に紹介します。

※プライバシー保護のため一部内容を変えております。

 

<第8回>

– コンサルタントを辞めよう、または他のコンサルティング会社に転職しようと思ったときのことを聞かせてください。

 

【ケース1】

お話を伺った方:Hさん(戦略系コンサルティング会社/20代/女性)

 

同僚が競合他社に転職し、これまでと仕事の内容はほぼ変わらないけれど待遇が良くなった、という話を聞いたときは羨ましいと思いました。

コンサルティング業界で転職は日常茶飯事ですし、競合他社への転職もよく聞く話ですよね。

やはり、短期間で報酬やポジションのステップアップを目指すのなら、転職した方が良いのだろうな、と考えることもあります。

ただ、その同僚はしばらくして過労で体調を崩してしまったようで……。

待遇が良くなっても、企業風土や上司の働き方によって今よりも労働時間が長くなってしまう可能性があるので、転職するなら候補の企業にいる知人によく話を聞いて決めたいと思います。

 

– 以前からコンサルティング業界では「転職することが当たり前」ですが、理由は様々です。Hさんの同僚のように待遇面を重視する方もいれば、挑戦したいことがあり、その領域に強いコンサルティングファームや、ベンチャー企業に移る方もいます。他にも、ワークライフバランスを優先して転職する方もいますし、どのようなケースであっても、「何を重視するか」「何を変えたいか」が大切ですね。

 

【ケース2】

お話を伺った方:Uさん(IT系コンサルティング会社/30代/男性)

 

「プロジェクトからリリースしてほしい」と上司に話してもなかなか抜けられず、転職に至ったことがあります。

ずっと興味を持っているテーマがあり、そのテーマに関連する案件に入りたかったのですが、当時所属していたプロジェクトはそのテーマとはまったく関係がなくて……。

その上、常に人不足で、いつになったら抜けられるのか見通しが立たない状況でした。

プロジェクト内の人間関係もあまり良くなかったので、仕事に対するモチベーションを維持することが難しくなり、転職することにしました。

転職後の職場では、やりたかったテーマに関われているので、忙しくても充実しています。

 

– どのようなプロジェクトにアサインされるかは、本人の希望やスキルだけでなく各種案件の状況やタイミング等に依存するため、希望通りにいかない場合も多いですよね。「プロジェクトから抜けたくても抜けられない」ことも珍しくないでしょう。プロジェクトによって業界やテーマ、役割が変化することはコンサルタントという職種の魅力ではありますが、希望する案件にいつまでもアサインされないと、先が見えず不安になってしまっても不思議ではありません。上位者に相談しても長期間プロジェクトから抜けられないとき、「あと少し」と機会を待つのか、「この時間を無駄にしたくない」と転職を選ぶのか、判断が分かれるところです。

 

【ケース3】

お話を伺った方:Mさん(総合系コンサルティング会社/30代/女性)

 

2回連続でプロモーションできなかったときは、落ち込んでなかなか立ち直れず、次もダメなら転職しよう、と決めて仕事を続けていました。

「プロモーションを目指したい」と上司に伝えて最初に迎えた評価では、フィードバックで「○○と○○の実績が足りない」とプロモーションできなかった理由を教えられて、ショックでしたが納得はしていました。

でも、2回目の理由は私にとって「フェアじゃない」と感じるもので、どうしても納得できず……。

上司から評価会議での議論の経緯を聞いても、モヤモヤするばかり。

結局、上司のサポートもあり3回目の挑戦でプロモーションできたので転職はしませんでしたが、あのときは何もやる気が起きなくて、本当につらかったです。

 

– 評価結果への不満は、転職理由としてよく耳にしますね。評価者にあたる上司とメンバーの信頼関係維持や離職防止の観点から、管理職はフィードバックの仕方や内容に注意を払っていることでしょう。それでも、個人のキャリアに影響する大きな出来事であるため、「評価が会社または上司への不満や不信感、失望につながりやすい」ことは、評価時期になると特に注目される問題です。