海外在住者のカウンセリング経験談① アメリカ編Ⅰ

心理カウンセリングに対するイメージや考え方は、個人はもちろん、国によっても異なります。

周囲にカウンセリング利用経験者や詳しい方がいるか、職場で気軽にカウンセリングを利用できる仕組みや雰囲気があるか、などもイメージに影響するでしょう。

日本ではカウンセリング利用に少々ハードルを感じる方も珍しくありません。

 

本シリーズ「海外在住者のカウンセリング経験談」では、日本よりも心理カウンセリングが身近なものとして捉えられやすい欧米でのカウンセリング利用経験がある方にお話を伺います。

※プライバシー保護のため一部内容を変えております。

 

<第1回>

お話を伺った方:Wさん 大学院生/20代/女性(カウンセリング利用時)

 

– カウンセリングを受けようと思った理由について、差し支えない範囲で教えてください。

 

当時は試験にパスしなくてはいけないプレッシャーが大きく、精神的に追い詰められた状態でした。

「しんどさを和らげたい」という気持ちからカウンセリングを受けようと思い、大学のカウンセリングセンターに足を運びました。

校内は積極的にカウンセリングを利用できる雰囲気だったので、抵抗なく通えましたね。

以前、友人が利用したときの話を聞いていたことも、きっかけになりました。

 

– ご家族や友人など周囲のカウンセリングに対する考え方はどのようなものでしたか。

 

アメリカにいる友人の間では、カウンセリングは特定の問題を解決するというより、自分の心を健全に保つ方法の一つとして考えられているように思います。

定期的に通っている人が周囲にたくさんいますし、カウンセリングは日常的なものです。

ジムに通うような感覚でしょうか。

私もそうですが、精神的に辛くなった時だけ利用するという人もいますね。

日本にいる家族はカウンセリングにあまり馴染みがありませんでしたが、利用したときのことを話したら安心してくれたようです。

 

– カウンセリングを利用するにあたり、気になったことや障害になったことがあれば教えてください。

 

一番の障害は、カウンセリングに対する自分の意識だったかもしれません。

問題を抱えている人が利用するもの、という思い込みがあったので、自分の問題を認めることに少し抵抗がありました。

 

– カウンセラーの対応はいかがでしたか。

 

私の担当カウンセラーは穏やかで感情に波がなかったので、こちらも安心して話すことができました。

いつもカウンセラーが中立的な立場を取り、私が話したことについてジャッジメントが入らなかったことも良かったです。

 

– 現在、心理カウンセリングに対して持っているイメージを教えてください。

 

心の健康をメンテナンスするもの、というイメージです。

身体のためにジムに通うように、カウンセリングに定期的に通うことで、自分の精神状態を把握しやすくなると思います。

今の自分を受け入れることに繋がるのではないでしょうか。

 

– 転居後など慣れない土地では、どのようにカウンセリングルームを選びますか。

 

信頼できるカウンセラーかどうか、ということが大切だと思うので、可能なら身近な人に紹介してもらえると一番安心です。

 

– 心身ともに健康に過ごすために、心理カウンセリングを生活に上手く組み入れていらっしゃるのですね。お話を聞かせていただき、ありがとうございました。