管理職による人材育成④ ジェネレーションギャップ

本シリーズ「管理職による人材育成」では、企業で働く管理職の方々から人材育成について印象に残っているお話を伺い、毎回読み切り形式でお届けします。

※プライバシー保護のため一部内容を変えております。

 

<第4回>

お話を伺った方:Bさん(メーカーの人事部マネージャー/40代/男性)

 

– 社内の人材育成について印象に残っている出来事を教えてください。

 

新入社員との年齢差が開くにつれ、ジェネレーションギャップを薄々と感じてはいたのですが、あるときはっきりと認識する出来事がありました。

談笑中、新入社員の冗談に「○○か!」と私が好きなお笑いのツッコミを入れたところ、きょとんとした表情で「○○って何ですか?」と返されて……。

自分の当たり前が相手に通じていないと分かり、「指導中の例え話なども通じないことがあるかもしれない。これからどうしよう……」と不安を覚えた瞬間でした。

 

– 当時のお気持ちと、どのように対応したか教えてください。

 

人事部マネージャーとして、新入社員の育成にこれからも携わって大丈夫なのかと頭をよぎりました。

それでも、いくら考えても埒が明かないので、前に進もうと決めて「次のステージに向かおう」「転機だ」と自分に言い聞かせていました。

それ以降、新入社員の育成について検討するときは、ジェネレーションギャップを埋めるために若手メンバーの意見を多く取り入れながら進めるようにしています。

今では、自分が先頭に立って進めていた頃よりも良い形で育成ができていると思います。

 

– 当時を振り返って、現在のお気持ちを教えてください。

 

やはり、当時の新入社員との会話が転機であったと実感しています。

これからさらに若手メンバーとの年齢差が広がる私にとって、考え方や価値観のズレを意識して行動することが必要だと気づかせてくれました。

「おじさん」は若手メンバーから疎まれる傾向があり、縁遠くなりがちです。

些細な食い違いが起きないように、同じ職場の若手メンバーと協力して新卒社員研修の企画や運営、フォローを行っていくことを大切にしています。

 

– その出来事のあと、若手メンバーの方々とはどのようにコミュニケーションされていますか。

 

今回の転機を乗り越えられたのは、職場の若手メンバーが協力してくれたことが本当に大きいです。

具体的には、「○○の話は30代くらいまでしか分からないのでは」「最近は△△が流行っていますよ」「その例え話だと新入社員には通じないと思います」など挙げると切りがないくらい、新入社員との接し方についてアドバイスをしてくれました。

今では自然と、どの部分を若手メンバーに助けてもらったら良い内容になるか考えながら、社員研修を企画しています。

また、普段から互いに気持ちよく仕事をするために、彼らの変化を見逃さないよう気をつけています。

 

– その出来事を経験されたことで、ご自身に変化はありましたか。

 

この経験によって、人材育成へのかかわり方について考えが変化しました。

柔軟に対応することや、前に出過ぎないこと、世代ごとに意見を聞ける相手を持つことです。

このような行動を意識して若手メンバーと接することで、ジェネレーションギャップのデメリットを小さくできていると感じています。

これからも「おじさん」であることを自覚し、「上手に周囲から助けてもらえるおじさん」になれるよう、模索しながら人材育成に励みたいと思います。

 

– ご自身のやり方だけに固執せず、異なる世代の意見を取り入れて自ら変わっていこうとする姿勢が前向きで印象的でした。ありがとうございました。